2012年9月25日火曜日

Amazon.comでの詐欺商法

誤解のないように断っておくが、Amazon.comが詐欺商売をしているとは言っていない。Amazon.comのマーケットプレースに恒常的に 存在していると思しき詐欺商売のこと。だから「Amazon.comの詐欺商法」ではなく、「Amazon.comでの詐欺商法」。

iPhoneが充電できなくなった。


ウチは3年前に買ったiPhone3GSを夫婦で(未だに)使っている。充電は車の中とか仕事場の机の上とか色々だが、使わないときはできるだけ充電するようにしている。それが、一月ほど前から充電用のケーブルを接続して電源につなぐと、写真のような画面を表示するようになった。実はこの現象は以前から見られていたのだが、充電用のケーブルのコネクタと電線のつなぎ目のところのブーツの辺りで断線だか何だかが起きていて、ケーブルを新品に交換すると見られなくなったので今回もケーブルを疑ったのだが、そうではないことが分かった。充電用の120V→USBのアダプタが悪いのかと、iPhoneを買ったときについてきたApple純正のものに代えたりすると充電できたりとかしていたのだが、だんだんそれでも充電できなくなってきた。


車の中での充電には配偶者は12V→iPhoneの直接のアダプタを使い、俺っちはUSB出力付のインバータを使っているのだが、配偶者のほうは充電できてもこっちはダメという事態になり、インバータの交換までしてみたがダメ。最後はiPhone内臓の電池を交換するところまでやってみたが一向に改善せず、これは充電に使っているケーブルに問題ありと結論付けた。

色々整理して考えてみると、いくつかの興味深い現象に気付いた。
  • 「充電できない」と表示されるが、実際には僅かながら充電は進行している場合もある。ただし通常の充電より極端に遅く、100%充電にはならない。
  • 充電できないケーブルと充電できるケーブルがある。
最後の「充電できないケーブルと充電できるケーブル」の区別がついた。写真を見てください。一番左のコネクタは充電できないが、右の二つのケーブルは充電できる。どこが違うか?

写真では判りにくいが、コネクタを差し込んだときにiPhone 内部で「カチッ」と留めるための左右に出たでっぱりが違う。充電できないコネクタは^型のバネだけで、力をかけると抜けるが、充電できるほうは鋸歯状のロックになっていて、コネクタハウジングのボタン状の部位に指で力を加えて鋸歯を引っ込ませないとコネクタが抜けない構造になっている。何故このロック機構付のコネクタなら充電できるのかは分からないが、とにかく解決策が見つかった。写真の左のケーブルは巷のジャンクストアなどでよく売っている安物だが、右の二つは違う。とにもかくにも、そういうコネクタをもつケーブルを買えば充電できるらしいことが分かったので、早速いつものようにAmazon.comで探して注文することにした。
左:ダメ 中・右:充電可能
円内の出っ張りに注目

色々検討して選んだのは「PREMIUM 2 x USB DATA CHARGER CABLE CORD FOR APPLE IPHONE 3G 3GS IPHONE 4」(ASIN: B002SOXBNE)。製品写真から見るとしっかりロック機構がついていて、名前も「PREMIUM」。値段は約$10と他の充電できそうもないケーブルの数倍だが、2本組みで売られていてよさそう。

注文してしばらく待ったが商品が届かない。いつもなら1週間以内で届くのに。

10日ぐらいしてふと気がついた。先週届いた封筒には充電できない安物ケーブルが2本入っていた。コネクタのロック機構と充電可・不可の関係がわかる前に間違えて注文したケーブルかと思ったがそんな注文の記憶もない。封筒の差出人を見るとなんとこれが今回注文した「PREMIUM」ケーブルだというのだ。

まぁ、この手のケーブルは正式ライセンスなど受けていない中国のどっかの工場で作られていて、それが値段の安さになっているのだからこういうこともあるさと諦めたが、使えないケーブルを受け取っても仕方がない。早速Amazon.comで返品の手続きをすると、即返品可になったので送り返す。返品の郵送料はAmazon.comから「返品送料」としてクレジットされた金額より10¢高かったが仕方ない。封筒代、返品のラベルの紙代、郵便局までの足代、それなりの損害だが、そんなに頻発することではない(と思った)ので諦める。

ASIN: B002SOXBNEの
商品写真(上)と
実際に送られてきた安物ケーブル
当てにしていたケーブルがだめだったので、早速代わりを探す。今度も慎重に製品写真をよく見て、ロック機構のついているものを探す。あった、あった。しかも前より安い。一度目は2本で$10だったが、今度は1本$3(ASIN: B001CSRBXS)と、なんと5本で$3のもの(ASIN: B0030LQFJG)もある。やっぱり探してみるものだ。

数日後、ネットで追跡していた封筒が届く。5本入りの方だ。わくわくしながら封を切る。

と こ ろ が

出てきたのはまたしても製品写真とは似ても似つかない安物のケーブル。

さすがに怒りがこみ上げて来たが、できることは返品しかない。

またAmazon.comで返品の手続きを取る。今度は即返品受付けとはならず、出店者にメイルが行って返事待ちとなる。

出店者からは意外と早く応答が来た。曰く
ASIN: B0030LQFJGの
商品写真(上)と
実際に送られてきた安物ケーブル
ケーブル5本すべてが動作しないのか?iPhoneやiPodなどの他のデバイスでも試してくれ。このケーブルはiPadでは動作しない。不良品は交換する。

仕方がないので返事を書く。

ケーブルが動作するとかしないとかの問題ではない(オレのiPhoneでは動作しないことは分かっている。他人のiPhoneでは動作するかもしれないが、そんなことはオレの知ったことではない)。これはオマエの問題ではないが、オレのiPhoneは充電に問題を抱えていて、ロック機構のついたケーブルでないと使えないことが分かっている。だからオマエの商品を注文したのに、オマエは商品写真と似ても似つかない安物ケーブルを送ってきた。全額返金と返送費用を払うか、商品写真と同じ商品を送って来い。

次の返信では出店者は代替商品を送ってくることに同意した。商品はまだ着いていない。到着し次第フォローアップする。

さて翌々日、残りの注文がやっと届く。今度は商品写真に実際の購入者からの投稿写真でロック機構が付いていることが強調されていたのでちゃんとしたものが届くはず。


甘 か っ た

色こそ商品写真と同じ黒だが、ごく一般的な安物コネクタ。もちろんロック機構なしで、ウチのiPhoneには使えない。また返品。

今度もメイルのやり取り。

まことに申し訳ない。普段起こるはずのない発送エラーのようだ。この商品は何百本も売っており、 好評を得ている。きっと何本かの欠陥品が紛れ込んでいたのだろう。
ASIN: B001CSRBXSの
商品写真(上)と
実際に送られてきた安物ケーブル

あのねぇ、そんなこと誰が信じるかい?「欠陥」だと?商品写真と明らかに違うものを売りつけておいて、そのセリフはないだろ?

と言っても仕方ないので

商品写真と完全に同じものを送ってくるなら代替品として受け付ける。そうでなければ全額返金。元のケーブルを返して欲しければ、切手を貼った封筒同封のこと。

という訳で、こちらも 代替品の到着待ち。到着し次第フォローアップする。

さて、ここまでバカにされて黙っているわけにはいかない。Amazon.comのカストマサービスに苦情を申し立てた。

最近iPhone充電用USBケーブルをAmazonマーケットプレースで注文した。ウチのiPhoneは充電に問題があって、ロック機構付の特定のタイプのケーブルでないと使えないので、商品写真を注意深く精査して商品を選んで注文した。ところが、注文した4件のうち3件は商品写真と明らかに異なる、明らかに安物の、明らかに劣るロック機構のないウチでは使えないケーブルを送って来た。一点は既に返品し、もう一点は代替品待ち、最後の一点は返品の申し込みをしたばかりである。上等な商品を見せて実際には下等な商品を売りつけるのは古典的な詐欺の手口である。これはAmazon.com普通のことなのか?10年以上Amazon.comの顧客であるが、非常に失望し憤慨している。

Amazon.comからは「申し訳ない」という回答とともに詳細のレポートの依頼が来たので、このブログを見せるつもり。

繰り返すが、この手の商品は多分正式なライセンスを受けていない中国の工場で作られており、それが故の低価格なので、その時々の仕入先により商品にばらつきがあることは分かっているから、目的とする商品の機能さえ満足できるならばこちらもウルサイことは言わない。
ASIN: B003TYCXFEと
実際に送られてきた商品
(黒は1回目の注文、白は2回目)

例えば、右の12VシガーライタのiPhone充電ケーブルは、2回購入したが、1回目は色も形も商品写真と異なるものが送られてきたが、本質的な機構は商品写真から想像していたものと同じだったので文句はない(むしろカールコードのデキは2回目に購入した写真と同じ白のほうより柔らかくて使い易い)。

しかし今回の3件のケーブルは酷い。1件目は何も言わずに返品を受け付けたからよく分からないが、2件目の「機能しないのか」という返事は明らかに「iPhone用ケーブルだよ。何か文句あるの?」と言いたそうだし、3件目の「欠陥品」には恐れ入った。想像の粋を出ないが、この手の無名商品では商品写真には上等な商品を載せても実際にはずっと仕入れ価格の安い「機能的に同じはずだ」と称する「同等品」を売るつける商売がAmazon.comで常態化しているのかもしれない。レクサスを買ったつもりなのに「今、在庫はこれだから」と現代を渡されたのではたまったものではない。

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