2012年7月31日火曜日

RJ45/RJ11スプリッタ

うちのインターネット接続はケーブルモデムを使っている。一般用の月$30~のプランではなく$100のビジネス用プランなので
  • 固定アドレス(サーバの運用に必要)
  • ポートの制限なし(サーバの運用に必要)
  • 転送データ量の制限なし(日本からテレビの録画データを毎月数十GB転送している)
  • 24/7の優先的テクニカルサポート(モデムの電源が死んだときしかお世話になっていないが…)
などのメリットがある。

転送速度は実測でダウンロードが約25Mbps、アップロードが約3Mbpsで悪くない。ここで「実測」と言っているのは、テレビの録画ファイルを転送しながらのログだから、スピード測定サイトの結果なんかよりずっと実際的。接続会社によっては、「ターボモード」などと称して転送の開始から数MBだけバースト的に高速転送して体感的な転送速度を速く見せているものもあるが、数GBのファイル転送にはそういう数字は無意味。

ま、それはさて置いて…。

で、ケーブルモデムの置き場所は当然のことながらケーブルのフィードがあるところになるが、歴史的及び怠惰的事情により下階のAVルームというか家族用の居間のテレビのラックの中にモデムがある。モデムはブリッジモードで、ここから上階のサーバルームというかクローゼットの中のファイアウォールのサーバに入ってから家の中のLANにつながる仕組み。WiFiなどは使わない。有線の接続だ。

さて、今時のAV機器には、ネットワークにつながるものが結構ある。AVラックの中のメディアプレーヤ2台、BDプレーヤ、衛星放送のレシーバに居間でつかうラップトップのためのWiFi APを含めて5台の機器がLANにぶら下がっている。

問題は物理的な配線。13年前にこの家を買った直後にめぼしい部屋にはすべてCAT5を這わせ、さらに3年前にAVルームを改装した時にCAT5二本とリアスピーカ用配線を暖炉にそって床に埋め込み部屋を横切ってガラージュに抜けるようにした。ガラージュに入ってしまえばそこから下階のパッチブースというかクローゼットへの敷線は屁の河童。そこから上階のサーバルームに届けるには、下階の天上から上階の床に穴をあけるというあまりうれしくない仕事だが当の昔に完了済み。

ところが、この期に及んで見通しの甘さが露見した。AVラックからCAT5が二本しか通っていないのだ。ケーブルモデムからファイアウォールへとファイウォールからLANの二系統しか考えていなかったが、ここに来て衛星放送レシーバ(DVR)のコーラーID(日本流に言うとナンバーディスプレイ)機能を使ってテレビを視聴中にかかってきた電話の発信元を表示させたい、という欲求がむらむら起こってきたのだ。

実はこの一週間ほど、電話がらみのプロジェクトを進めている。家を買った直後に導入した外線2回線内線7回線の簡易交換器がシリアルポートに出力する通話のログをサーバに貯めてウェブで閲覧できる仕掛けは10年ほど前に作ってずっと使っていたが、2年前にサーバのハードウェアをアップグレードした直後から動かなくなっていた。多分シリアル接続のDTE/DCEの不一致だろうと思っていたが、何となく放ったらかしておいた。ところが2週間前にふと思いついてヌルモデムアダプタを噛ませたら、ころっと再び動くようになった。

外線2回線+内線回線の簡易交換器
これに気をよくして、5年前に購入して装着したものの当時のLinux用ドライバが動作しないのでそのままにしておいたコーラーIDを検出できるPCIモデムのドライバの最新バージョンを手に入れてインストールしたら、こちらもあっさり動いた。

こうなると気分は上々、もっとやりたくなる。そこで、サーバーで検出したコーラーIDをクライアントに一斉通知してPC上でどこからかかってきた電話なのかポップアップで表示するNCID(networked caller ID)なるものを家中のPCにインストールしたら出来は上々、さらに欲求は高まる、という次第なのだ。

そこで衛星放送レシーバに電話線をつなぎたいのだが線が足りない。一時は床のトリムを剥がして工事することも考えたが、もちろんこれは最後の手段。解決手段をネットで探したら、あったあった。1本のCAT5をスプリットして2回線分使うというアダプタ。ご存知のようにCAT5などのデータケーブルは撚り線が4対通っているが、実際に通信に使っているのは2対だけ。余った2対4本の導線を使って電源を供給するPoE(Power over Ethernet)などもあり、うちでもネットワークカメラの電源供給に使っているが、このアダプタはネットワーク2回線分を1本のケーブルに通そうというもの。RJ45<=>RJ45x2のネットワーク用とRJ45<=>RJ45+RJ11のデータ+電話用の二種類が用意されているので、両方一組づつ買い、既存の2本のCAT5をデータ3回線と電話2回線(電話線2対)に拡張できた。

このアダプタは一組$15~25と安くはないが、びっくりするほど高くもない。注意したいのは、似たような「スプリッタ」は巷で結構売られているが、ほとんどの製品は単にすべての導線をパラレルに反対側に二組出しているだけなので、こういう目的には使えない。RJ11<=>RJ11x2のアダプタでは内側の対と外側の対を反対側の内側につないで2回線を1本のケーブルで伝送できるようにしてあるものもあるが、RJ45ではこの製品以外にお目にかかったことはない。

同じケーブル内で二組のデータ通信をするのでクロストークを心配する向きもあるかもしれないが、もともと[10|100|1000]base2では上りと下りの2回戦が1本のケーブル内を通過するので、それで問題なければ心配は無用。普通の家では家庭内LANはWiFiが主流だと思うが、有線LANはセキュリティ、転送速度、安定性などで一日の長がある。敷設してある回線数が足りなくなったら使ってみるといい。
交換器の製品の写真は製造元のサイトから。著作権はしかるべき保持者に帰属します。

2012年7月23日月曜日

Micro Centerサンタクララ店が閉店

Micro Centerのサンタクララ店が今日閉店した。

突然のことだった。地上波テレビのアンテナ設置の最終工程のためにFコネクタが必要なので、Micro Centerウェブサイトで品物を探し、サンタクララ店に在庫があるかどうか確認しようとしたら、他の店は表示されるのにサンタクララ店だけ選択できない。おかしい!と思っていろいろ探すと、なんと本日付で閉店していた。

Micro Centerは全米で20店舗あまりを展開する中堅どころのPC・AVエレクトロニクス量販店で、加州にはサンタクララ店と南加にもう一店舗。仕事場からさほど遠くなく、PC関係の商品が充実し、値段も悪くないので年に5~6回は利用していた。ウェブページによれば店舗のリース契約の更新交渉が不調だったというが、実際はどなんだろう?確かに客で混雑しているのを見る店ではなかったが、そこそこの商売はしていたはずなのに…。

ベイエリアの家電量販店というとFry'sが有名だが、率直に言ってFry'sの店員はかなりレベルが低い。目的の商品の売り場に一回で案内されることは稀だ。例えば今日も仕方なくFry'sでFコネクダ(テレビのRFフィードの同軸に使うアレ)を買おうとしたら、最初に売り場の場所を尋ねた店員は「XX番通路」と教えてくれたが、そこには工具込みのキットしかなくかなり予算オーバなのでもう一度尋ねると、そばにいたラテン系のおねーさんの店員が「あ、コネクタね」と自信たっぷりに別の通路に案内するがそれらしいものはないので「ところであんた、Fコネクタって何だか知ってるの?」と訊いたら「知ってるるわけないでしょ !」と明るく答えたのには参った。結局3人目に「テレビのアンテナに使うやつ」で漸く目的の品を買うことができた。

そこにいくと、Micro Centerの店員はそれなりの商品知識があった。特に、Daveという名だったと思うが、体の大きなPC部品売り場の店員は、こちらのやりたいことを説明するとちゃんとそれを満足する価格も適切な物を探してくれた。ネットワークスイッチだのコネクタやケーブルだのは仕様が決まっているので値段だけの勝負なので店員の説明などは要らないが、マザーボードとCPUの組み合わせなど普段あまり買わないものは、PCIのスロットやSATAのポートがいくつあるとかを尋ねたくなるし、時によってはバーゲン品も紹介してくれた。我が家の現在のメインサーバも日本においてある地デジ録画サーバも、基幹部品はここで調達した。2年ほど前から始めたサービスに会員登録をすると、買い物のレシートをメイルで送ってくれるという気の利いたサービスもあった。

10年ほど前にやはり全国展開のPCストアのCompUSAがサンタクララの別の場所の店を閉じたのに次いで、これでベイエリアの中堅どころPC量販ストアはFry'sだけになってしまった。ウェブの公告によれば、返品などの受け付けのために9月半ばまでは現地で応対するというが売り場は全て閉鎖。当然のことながら一部の後始末要員を除いて他の従業員は即日解雇だろう。Daveはすぐ次の仕事を見つけられるだろうか?

ベイエリアに来てから25年、3軒のデパートを含め色々な店が廃業や撤退するのを見てきたが、そういうのを見るのは悲しい。

2012年7月19日木曜日

飛んで火にいる…

前にも書いたが、サウスベイエリアの今年の夏は暑くない。朝などは肌寒く感じることもあり、往来を歩く人はジャンパーとかカーディガンをはおっている(もちろん半そでのTシャツもたくさんいる)。

日が落ちて(今の時期は日没は8:20頃)暗くなるとすっかり寒くなるが、それでも屋外の蛍光常夜灯には小さな蛾などの虫が集まってくる。 裏庭を大改装してできたアーバー(日本語では何と言うのか、6x2を一定間隔で頭上に並べた日よけ)の一端に、日本で殺虫灯というのか何だか知らないが、電気式の殺虫器をぶら下げた。紫外線を多めに出す蛍光管の周りを高圧電気の網で囲って、紫外線に惹かれて飛んできた虫が高圧電線の電撃で感電死するというアレ。

実はこれで虫が死ぬところを見ているのが大好きだ。えげつないと分かっていても止められない。毎夜10~20分傍らで見ている。夜は気温があまり高くない所為かそれとももう虫は取り尽くしてしまったのか、わんわんと虫が集るわけではない。10分間何も飛んでこないこともあるし、立て続けに捕まるのを見ることもある。赤い放電アークが「ぶず~ずずっっ」と飛び、小さな虫は即座に落っこちるが、運の悪いやつは10秒ぐらい引っかかっていて煙まで上げる。ただし炎を上げているのは見たことがない。

驚くのは、そうやって数秒以上電撃を食らっていても、まだ羽をよろよろ動かしている虫がいることだ。どちらかというと小いさめの蛾に多い。まだ動いていても、致命的な重症を負っているので再び飛び立つことはないようだが。

さて感電して下(地面)に落ちた虫や、グリッドに引っかかったままの虫はどうなるか?蟻がちゃんと後始末をしてくれる。普段家の中に出て目の敵にされている蟻だが、こういうときは生物界の循環サイクルに感謝する。

うちで使っているのは1/2エーカー用と謳っているもの。我が家の裏庭は1/6エーカー程度だから十分。

これは2代目。初代のものは2シーズンで壊れてしまった。蛍光管が黒ずんで光らなくなり、濡らした木の葉のかけらをつけても放電しなくなった。確か雨の日もそのまま夜は点灯させていたから仕方ないか。

殺虫灯
奥は感光スイッチとその下の防滴差込口


蚊を呼び寄せるためのフェロモンだか何だかが入ったパッケージが付いてきて、シールをはがして装着するようになっている。我が家では蚊は見かけないが、死蔵しておいて乾いてしまって使えなくなるのも悔しいので装着している。この蚊の呼び寄せパッケージのサプライは値段が高い。6個入りで$34もする。内容物には素手では触れないように注意書きが書いてある。

惜いのは本体に感光スイッチが付いていないこと。GFCI付きの防滴カバーの付いた差込口と外付け感光スイッチをつけて使っているが、余計な手間と出費だ。コードが非常に短いのもよくない。せめてあと3インチ長ければもう少し楽にぶら下げられたのだが…。

常時15Wの電力消費は、多くはないが少なくもない。年間100日間毎日8時間点灯するとして12kWh。うちは電気の消費量がやたら多いので累進電気料金は1kWhあたり40セントにもなる。ということは、年間$5程度。ま、いいか。

2012年7月17日火曜日

割れてしまった電気器具ノブ(ツマミ)の直し方

1年前に買ったコンベクション(ファン付き)オーブントースタのタイマツマミが取れてしまった。シャフトを咥えているプラスティックの鞘が二つに割れている。このツマミはメカニカルタイマを設定するので一番力がかかる。

このオーブントースタは他にも問題があるのだがそれはさて置いて、ツマミ一つを取り寄せるとなると多分2週間ぐらいの時間と$20ぐらいの金がかかると予想した。たかがツマミ一つに、だ。

ツマミの裏側
割れたプラスティックの筒に
針金を巻いてエポキシで固めた
だからダメ元で自分で直すことにした。

まずは単純に二液混合型のエポキシ接着剤で試してみるが、念入りにクランプで挟んで一日硬化させたあと試したら見事に同じところが割れてしまった。

そこで一計を講じ、割れたところを手元にあった銅の針金で巻いてからエポキシ接着剤をたっぷり付けたら上手く行った。ただし、接着剤が多すぎて最初は上手くオーブントースタのパネルに入らなかったので、ドレメルで接着した所の周囲を削ったらばっちりはまった。

このドレメルという工具は、高速ロータに色々なアタッチメントを付けて切ったり削ったりするものだが、他にもいろいろな使い道がある便利もの。
  • 縁の部分がちょっとかけてしまったガラスのメジュアリングカップのかけた部分を滑らかする。
  • 金鋸では引っかかってしまって上手く切れない薄いパイプ状の金属(たとえばカーテンレール)を綺麗に切る。
等など、重宝している。

まぁ、絶対なくてはならない工具ではないと言うか、なければそれでできることができない・最初から諦める仕事で、個々の必要性は大したものではないから初期投資には蛮勇がいるが、こういうものは欲しいときにあってこそ便利な工具なので何かのときに揃えるとよいかもしれない。

こういう工具を使うときはちょっとコツがある。重たい工具の方を持って動かしてはいけない。工具は固定して材料の方を動かすと細かい作業が楽にできる。

2012年7月16日月曜日

暑く…ない

今年も半ばを半月ほど過ぎた。

写真は昨日マウンテンビューにふらりと行った時、古本屋の前で見つけた「2012年のカレンダー40%引き」の宣伝。もう2012年も半分以上過ぎたんだから、もっと値引きしないと売れないと思うが…。

日本では蒸し暑い季節の真っ最中と思うが、ここサウスベイエリアは今年はあまり暑くない。もともと夏の湿度はそれほど高くない地域で、気温が高くても乾いた暑さのことが多く、30年近く前、当地に来たばかりのときにエアコンのない車でサンフランシスコから午後のフリーウェイを運転して帰ってきたときに鼻の中が乾いてしかたなかった記憶がある。その後身体のほうが慣れてきたらしく、極端な乾燥は体験していない。ところが、今年は冬はレイクタホに雪がほとんど降らず、一回もスキーに行かないという椿事の年で、「さては地球温暖化か」と思ったが、夏になっても一向に暑さを感じない。温暖化というより太陽黒点の異常による異常気象なのかもしれない。

例年ならかなり蒸し暑い日もある。 7~8月期に2週間程度、そして9月に「インディアンサマー」と呼ばれるらしい1週間程度のかなり暑い日が続く。数年前の7月には、あまりの暑さに耐え切れずレイクタホに即決一泊避暑旅行に行ったこともある。

それ以外の日でも夏は夏なのでやはり暑いが、日本のような「うだる」ことはないので、我が家にはエアコンはない。近所の家では結構備えているところがあるようだが、エアコンなしも決して珍らしいことではない。こちらのエアコンは、日本のような各部屋のセパレート型の壁掛けはなく、セントラルエアコンかまたは窓にはめ込むタイプが主流。セントラルエアコンは室内機と室外機の置き場所を確保するのが大変で金もかかるし、窓型はうるさくエネルギー効率もよくない。まぁ、何とかしのげる暑さなので…。

我が家は斜面に建っている「スプリット」と呼ばれる構造で、2階建ての建物二つを傾斜に合わせて上下に少しずらしてくっつけた感じ。だから床のレベルは5段階、玄関と踊り場を入れると7レベルもある。だから、残念ながらルンバは使えない。下の階は昼でも明らかに戸外より涼しいし、夜は時には肌寒いこともあるが、上階はかなり暑い。原因はいくつかあると思う。
  • 対流で熱い空気が昇る
  • 日射で屋根・屋根裏が熱せられる
  • 2階のサーバ3台やPCなど(計200Wぐらい)
特に娘の寝室はかなり暑い。

この暑さは以前から気になっていたが、先立つもののこともあり、なかなか手を付けなかったが、昨年ついに対策を実施した。設置したのは二つの比較的安価な装置。
  • 屋根裏に14インチ1650CFMのゲーベルファン(付属のサーモスタットで制御)
  • サーバルームに140CFMの静粛型バスルームファン(室内サーモスタットで制御)
ゲーベル(ゲーブル、gable)ファンとは、要するに強力な扇風機で家の「褄」の換気口に設置して屋根裏の熱い空気を強制排出するもの。1650CFM(立法フット毎分)だと普通のバスルーム用換気扇15~20台分で、2500平方フット程度までの屋根裏に効果があるという。サーモスタットはファンに付いているものを華氏90度で作動するように設定。

ゲーベルファンを設置するアイディアは以前からあったのだが、躊躇していた一つの理由はこのサーモスタット。万が一火事が発生したときサーモスタットが働いてファンが回り始めると悲惨なことになる。今回選んだ製品はモータの過熱時にシャットダウンする機能があるということなので、火事のときもシャットダウンすることを期待して決心した。

ゲーベル
電源にはスイッチを二つ付けて、メンテナンスや旅行などで不在のときには完全に切断でき、かつサーモスタットが動作しなくても例えば湿気を取るために手動で作動させられるようにした。動作状況が視覚でもわかるようにLEDの表示も作った(120Vで直接駆動できるLEDを見つけた)が、これは後で述べるようになくても動作は聴覚で一「耳」瞭然だった。

バスルームファンは、シャワールームに付けるものを仕事部屋兼サーバルームとして使っている部屋の天井に設置して室内の天井付近に溜まった熱い空気を強制排出する。通常のファンは80~100CFMが多いが、静粛型では最大級の140CFMで、ダクトの通常の4インチではなく6インチ。室内につけるサーモスタットは120Vを直接制御できる冷房用のものを探したが、結局少々レトロな外観のメカニカルなものしかなかった。設置して見るとそれほど違和感はない。

手元にあった1インチの合板でゲーべル開口部に合わせたバッフル板を作って設置。電源は、以前に窓用エアコンのために配線しておいた天井近くの窓際の壁から引き出した。

さて、効果はあったか?
ゲーベルファンのバッフル板
CADで画いてみた

確かに効果はある。エアコンのように直接的な冷風を感じるわけではないが、いわゆる「熱帯夜」の蒸し暑い上階もかなり過ごしやすくなった。消費電力は、両方のファンが動作していても300W以下だからエアコンに比べるとかなり小さい。エアコンと併用してもエアコンの消費電力をかなり抑えることができ、総合的に節約になることは間違いないと思う。

欠点らしい欠点と言えば、ゲーベルファンの動作音がかなり大きいこと。室内ではそれほどでもないが、裏庭に出るとヘリコプタの爆音のようなファンノイズ(もちろん本物のヘリコプタよりずっと小さい)が聞こえる。早く娘の部屋にもバスルームファンをつけてやりたいのだが、残念ながら140CFMの製品が品切れ状態になっている。

2012年7月15日日曜日

ドアの防犯対策

娘の学校が夏休みに入った後サマーキャンプも終わり、週末遅くまで寝ていると家族から文句を言われるようになった。日もまだ長いので、できるだけ色々なプロジェクトをこなすようにしている。

今日(日曜日)は三つばかりプロジェクトをこなしたが、そのうちの一つは昨年からの積み残しの最後のドアの防犯対策であるロックピンの設置。

我が家には外からの出入り口として通常のドアが二つ半とガラスのパティオドアが二つある。パティオドアの件は別の機会に触れるとして、「半」はドライブウェイからゲートを通って裏庭に通じるガラージュ脇の通路に面したガラージュのサービスドア。外からガラージュに入れるが、まだ室内には入れない。室内に侵入するためにはもう一つのドアを通るか、表に回って玄関ドアから入らねばならない。我が家は基本的に安普請なのでどのドアもありふれた木製。特にガラージュサービスドアは中が空洞でガラス窓つきの安物だった(他の二枚はソリッドの木製)。

実は、昨年初め隣の家が空き巣にやられた。しかも約3週間の間隔を置いて2回。2回ともうちと同じようなガラージュサービスドアから。一度目はガラージュサービスドアを蹴破られて室内ドアも破られ、ラップトップコンピュータや宝石類を盗られたと聞いた。二度目は、幸い一度目の直後にガラージュサービスドアを鉄板製のものに交換してあったので、このドアと裏庭側のパティオドアから侵入しようとした形跡はあったものの実害はなかったとのこと。隣家ではセキュリティモニタリングサービスを契約し監視カメラまで設置したが、すっかり嫌気がさしたらしく一ヵ月後には家を他人に貸し出して引っ越して行ってしまった。

隣家の災難を漫然と見過ごすわけにはいかない。ちょっと間違えば我が家がターゲットになっていても不思議はない。それまでも一応ドアには気を配って、玄関ドア、ガラージュから室内へのドア、ガラージュサービスドアの二つ半のドアには通常のドアノブの錠に加えて、両側から施錠できるデッドボルトを設置しあったが、更なる対策を取ることにした。別項で紹介しているIPカメラによる監視もカメラを増やしたことは言うまでもない。

ガラージュサービスドアの閂
表から蹴られそうな高さに設置
まずはガラージュサービスドアを鉄板製のものに交換する。隣家で侵入されたところだから一番弱そうだし、ネットでいろいろ調べて見ると、ガラージュサービスドアは表に面していないので人目につきにくく、空き巣の多くはここを蹴破って侵入してくるらしい。ドアそのものは近所のHome Depotで運よくセール中の$100弱の使えそうなものを見つけたのだが、問題は設置費用。Home Depotでも契約コントラクタを派遣するというが、なんと$500という問題外の金額。ネットで近所のコントラクタを探して連絡を取るが、最低でも$250。

いろいろ調べて見ると決して難しい作業ではなさそうなので自分でやることにし、材料などを周到に用意して、追加の両側施錠のデッドボルトの穴あけでちょっとした問題があったものの軽く一日で完了。ここでちょっと工夫を加えた。それは閂(かんぬき)。このドアは内開きで侵入者は例外なく足で蹴破って入るようなので、蹴られそうな高さに合わせて閂を付けた。閂棒の厚みを調整して蹴られてもドアがバタつかないようにした。費用は、棒を受ける金具とネジ、棒自身は手持ちの2x4の廃材で、合計$10もかからないが効果はあるだろうと思う。

閂はガラージュサービスドアだけだが、ほかの二つのドアとも共通に施した対策があと二つある。

一つ目はデッドボルトの受け穴の補強。普通、デッドボルトの受け穴は鉄製の金具をドアジャムに4インチのネジ2本で固定するが、ドアジャムは決して強固な構造ではないから、ドアを蹴破られると言うのは、実はこのネジ止め部分のドアジャムが割れてしまうことらしい。そこでネットで補強金具を探すと色々見つかるが、基本は同じで、普通の長さ2インチ半ばかりの金具を2本のネジで留める代わりに、あるいはそれに加えて、4フィートぐらいの鉄金具を6本ぐらいのネジでジャムに留める。要するに力を分散しようということ。別にハイテクでも何でもないので、あまり厚さの薄いものは避けるが、サイズと穴の位置、値段で決めて三つのドア全てに設置した。

二つ目はヒンジピンを抜かれたときの対策。上に「両側から施錠できるデッドボルト」 と書いたが、意図するところは、他の箇所(例えばパティオドア)から侵入されても(例えば玄関の)ドアから外に出られないようにしてセキュリティサービス→警察の時間を稼ぐため。だから三つのドアには、室内側でもノブで開けられるものではなく鍵が必要なデッドボルトを付けた。ただしこのやり方も完全ではない。ドアのヒンジピンが抜かれると、いくらデッドボルトがあってもドアがごそっと外されてしまうのだ。

普通、民家のドア、特に外部との出入り口は内開き(民家でない場合は防災上の理由から外開き)なので、ヒンジは室内側にあり、室内に侵入されなければヒンジピンを外すことはできない。 しかし我が家の場合、上記の理由に加えてガラージュから室内に入るドアは使い勝手などの理由から敢えて外開きにしてあるという事情がある。この外開きドアには特殊なヒンジが付けてあり、道具がないとヒンジピンが外せないが、やはり完璧を期したい。

何とか対策がないか色々探したら、あったあった、世の中にはちゃんとそういうことまで考えている人がいる。原理は至って簡単。ドアのヒンジ側のジャムに面するところにに1/2インチの穴を開けて、そこに銃弾形のピンを固定する。ジャムの側にはこのピンの円錐部分を受ける穴に補強用の「鞘」を差し込むだけ。ドアの開け閉めは円錐部分が鞘に楽に収まるが、一旦収まる(ドアが閉まる)とヒンジピンを抜かれてヒンジが役に立たなくなってもこのピンでドアパネルをジャムから外すことができなくなる。ドア1枚あたり4~6本づつ付けるようにと推奨されている。

長々と書いたが、本日実行したのは最後のドアにこのピンを設置する作業(他の二つのドアにはとうに設置済み)。さて、明日は少し早く帰宅する予定なので、これも積み残してきた地上波テレビのアンテナを設置するつもり。家族用の居間の煙突に抱かせるつもりで必要な金具や木片は調達・加工済み。早く積み残しを一掃せねば…。

2012年7月11日水曜日

ディスク・フル!!

我が家のセントラルサーバが突然

/varのパーティションの空き容量が2GB以下になりました 

と警告を発してきた。

梅の枝葉が邪魔だ!
各パーティションは最大80%の使用を想定しており、/varは200GB確保してあるので、突然残り容量が1%以下になったのは異常だ。「さては何かマルウェアでも侵入したか!?」と一時は色めきたったが、調べてみると、11台あるセキュリティ監視カメラのうち1台が異常に多くの画像ファイルを保存していることが判明。さらに探求すると、ある時期からデータ量が激増している。

我が家は、パナソニックのIPカメラによるセキュリティ監視を数年前に初めて導入して以来、室内・屋外に計11台のカメラを設置してきた。インターネット経由でリアルタイム監視はもとより、全てのカメラの画像を常に過去3か月分保存している。といっても、モーション検出機能を使っているので、撮影中に明らかな動きが検出された画像(640x480 15fps MJPEG)しか保存しない。MJPEG1フレームあたりおよそ24KB、トラフィックの多い場所のカメラでも1日あたりせいぜい数十MB、カメラ1台あたり3ヶ月間の保存データは数GBのはずなのに、裏庭のカメラだけ3ヶ月で150GBもの画像が記録されている。

「これはおかしい!」と思って画像を調べてみると、何と裏庭のカメラの前に植わっている梅の木が育って枝葉がカメラの前で風で靡いていたために常にモーションが検出されていたことがわかった。早速、梅の枝の先端を剪定。右の画像が剪定前と後。

で、切りました
うちで使っているパナソニックのIPカメラは、室内用のBL-C1Aを9台とと完全防水屋外用のBL-C140Aを2台。BL-C140Aは値段が高い(当時$230~)ので雨風が直接当たるところにだけ、一応直射日光と雹などをよけるための簡単な屋根の下に設置してある。軒下の直接雨の当たりにくいカメラには室内と同じBL-C1AをeBayで買った素人の手作り風のタッパウェア利用の簡易防水ケース(アーム付きで$35)に入れて使っているが、これまで3年間故障は起きていない。WiFiも音声機能もないベーシックモデルのBL-C1Aは、eBayやアマゾンで中古などを新品のの半額以下の$40~で買った。BL-C140Aを真似て自作のPoE(Power over Ethernet)で電源用配線を省いている。

パナソニックのIPカメラはかなり機能の充実したウェブサーバを内蔵していて、NTPで校正したタイムスタンプ付きの画像をホストサーバへFTPで自動転送できる。BL-C140AはBL-C1Aよりさらに機能が豊富で、MPEG4の動画もできるが、互換性とファイル処理の簡単さから、全てをMJPEG(画像の1フレームが独立したJPEGファイル)にしている。同じく完全防水で赤外線センサとLEDライトまで付いているBL-161Aは玄関のインターコムのところにつけたらよさそうな感じがするが、うちは玄関からの訪問者はほとんどいないし画像を見るのに手間がかかるので実現していない。

このセキュリティカメラの効能だが、一度何気なくガラージュの前のドライブウェイをリアルタイムで仕事場から見ていたら、郵便屋がアマゾンで買った$300分の配達物を道から丸見えのガラージュドアの真ん前に置いていったのを見つけ、あわてて隣の家の人に電話して配達物を預かってもらったことがあった。

軒下はこれで十分
残念なことに、BL-C1Aはファームウェアのバグのためか数ヶ月に一度程度の頻度でハングアップする。マーフィの法則どおり、最悪のハングアップ(2台同時)は台湾旅行の最中に起きた。この反省から、全てのカメラはセントラルサーバがpingで監視して、一定時間応答がない時はIP Powerというネットワークで操作できる電源スイッチで電源が自動的に再投入されるようにしてある。

さらに、11台のカメラをインターネット経由で外からリアルタイムで見られるように、メインサーバ上にプロクシを構築してツリー上のURLでアクセスできるようにしたり、録画した画像ファイルのウェブ上の動画ビューアも開発したが、それらの紹介は別のところで…。

2012年7月10日火曜日

インターネットラジオ

AM/FMラジオ付きディジタル時計と交換するためにクリスマスプレゼントとして娘に買ってやったインターネットラジオが壊れた。行方不明だったCDプレーヤ用の電源が見つかったので娘の部屋に設置するとき、インターネットラジオの電源と物理的に干渉するのでインタネットラジオを一旦抜いて挿しなおしたらもう立ち上がらなかった。いや、正確には立ち上がろうとするのだが、スプラッシュの画面を表示してブランク画面を表示、というサイクルを2分周期程度で永遠に繰り返す。

アマゾンのアカウントで購入日を確認。Aluratekのサイトでまだ保証期間(1年)内であることを確認して、サポートにRMA番号の発行を依頼するメイルを書く。意外なことに翌日すぐに返信が来て、ブートが壊れているらしいのでリカバリモードにしてファームウェアをインストールしなおして見てほしいとの指示。早速そのとおりにしたら動いた。ついでにvTtunerにサインアップして、娘のお気に入りのFM局のインターネット版を登録する。

さて、このインターネットラジオ、購入に至った動機は
  • オールインワンでスタイリッシュ
  • NTP制御の大きな時計付き
  • FMラジオ付き
などだが、はっきり言って少々期待はずれ。

まず、キー操作の反応が非常に不安定。赤外線リモートはおろか、 本体のキーパッドでさえ押しても押しても画面がフリーズしたままの状況が頻発する(ただしラジオの再生は継続)。中身は多分Linuxだと思うが、よほどひどいスケジューリングオプションなのか?

次に、時計がよく外れる、というより表示が数分更新されないことがある。多分キー操作の反応の悪さと同様にスケジューリングの不味さだろう。さらに惨めなことに、ときどきまるっきり数年前の時刻にリセットされてしまう。電源を入れ直すときちんと標準時刻に1秒以内のずれで校正されるので、NTPはちゃんと動いているようなのだが。

UIは、この程度の値段の製品では文句を言っても仕方がない、というレベル。 表示のドットが粗いので字が大きく情報量が少ないが、めちゃくちゃひどい使い勝手という訳ではない。

WiFiはWEPもWPAも使えるが、どちらも使っていない。有線接続で使っている。娘の部屋はサーバルームと同じ階で、既に敷設してあるCAT5に加えてラジオを置く場所にもう一本敷設するのはたいした手間ではなかったし、うちのWiFiはセキュリティ上の理由からSSIDをブロードキャストしていないので多分接続できないから。

インターネットラジオが聴け、うちの中にあるPnPのメディアサーバにもアクセスできるのだが、実際は事前に予想したとおり娘はローカルのFMラジオほぼ一辺倒しか聴かない。無理やりディジタルメディアを押し付けるわけにも行かず、まぁ本人が楽しんでるのだからいいだろう。

2012年7月7日土曜日

据置ディジタル時計

以前働いていたケーブルTV用のDVRを作っている会社から「従業員テスト用」としてもらったDVRが1年ほど前に壊れた。省電力モードなしの機械で、5年ほど稼動していたから無理もない。これを機会にケーブルから衛星放送に乗り換えたのだが、それはまた別の話。

それまで使っていたケーブル用DVRがなくなって困ったのは、夜TVを見るときの時刻表示。我が家のTVはファミリールームに50インチのRPTV(8年前に購入)が一台で、夜見るときは部屋の照明を消して真っ暗にする。ケーブル用にDVRにはちょっとレトロなLED表示の時計がついていて、これが結構役に立っていたが、衛星放送のDVRにはそういうものが付いていない。実はTVのとなりの暖炉のマントルピースの上にはアナログ針式の時計があり、しかも昨年これのムーブメントが壊れて動かなくなった後電波時計のムーブメントに交換したという優れものなのだが、真っ暗な中では全く見えない。

そこで例のごとくアマゾンで探した。条件は
  • 大きめのLEDで3メートル離れた位置から十分視認できる
  • 目覚まし、ラジオ、気温表示などの付属機能なし
  • 電波時計であること
  • $20以下
我が家は電波時計マニアで、11台あるアナログ針式壁掛け時計のうち9台は電波時計。大学でディジタル信号処理を学んだとき「正確な時刻管理がディジタル技術の最大の利点」と習ってから、勤めて標準時計に自己校正できる時計(=電波時計)を導入している。

ところが、アマゾンで探せど探せど条件を満たす商品がない。La CrosseとかOregon Scientificのディジタル電波時計はたくさんあるのだが、 ほとんどのLED電波時計は気温表示や目覚まし機能はもちろんのこと、天井に時刻を投影するなどの機能が付いている。TV台に乗せて時刻を見るだけなのでこういう付属機能は全く必要ない。まぁ、余計な機能は使わなければよいという考えもあるが、気温表示などはどうせよく見えない代わりにパネルの面積を喰うし、何と言っても価格が高すぎる。$40以下の商品はない。

一時はPCを使った自作のLED時計などという本末転倒なアイディアまで考えたが、結論は、数年前に近所のFry'sで$12という価格に魅せられて娘に買ってやったソニーの目覚ましラジオ時計ICF-C218をこちらに転用し、娘には別のもう少しグレードの高いラジオつき時計を買ってやるという案。結局、このスワップ計画は娘のクリスマスプレゼントにAluratekのインターネットラジオ付きラジオ時計を選ぶことで実施された。

このICF-C218という目覚ましラジオ付き時計、アマゾンの「atomic clock」の検索でヒットし、最初は電波時計と勘違いさせられたが、自己校正機能はないただのディジタル時計。ただし、夏冬時間自動切換えのためのカレンダを内蔵している(手動で現在の年月日を入力)。最初の数ヶ月間が電波時計と思い込んでいたので時計の表示が常に1分進んでいることに面食らったが、手動時計であることに気が付いてから時刻設定を数秒の誤差に追い込んで使っている。

しかし、なぜ単純機能のLED電波時計の製品がないのだろう?LCDなら単純機能で値段もそこそこの製品が結構あるのだが。結局マーケティングという部署はユーザが使いもしない「付加機能」を満載することが製品の差別化と言う考えなのだろうか?

2012年7月6日金曜日

アイスクリーム フロヨ ソルベ

最近、アイスクリーム作りに凝っている。

2ヶ月ほど前にアイスクリームメーカを買ってからもう十数作を作り、家族から好評を得ている。失敗作も二つばかりあったが、まぁまぁの出来と自負している。

アイスクリームメーカといっても構造は極めてシンプル。低融点液剤を封入したアルミ製の二重壁容器をフリーザで冷やし、これに材料を入れ、上から攪拌用のプラスティックの羽(「パドル」という)を差し込んで毎分数十回程度の速度でぐるぐる回す。

便利なのは、この羽根が回るのではなく羽根は固定で容器が回ること。だから上から菜箸などをいれて攪拌の補助などがし易い。羽の形状も工夫してあって、非対称で攪拌効率を上げているのはもちろん、容器の内壁を常にこそぎ取るようになっているので、壁に触れて冷えて固まった材料とまだそうでない材料が常に入れ替わるようになっている。

もう20年以上昔、日本にいるときに「どんびえ」という手動のアイスクリームメーカを買ったことがある。原理は全く同じで冷却容器に入れた材料を羽の付いたハンドルで手で10~20分攪拌するのだが、手動のハンドル・パドルがヤワで、確か羽が折れてから使えなくなったと記憶している。冷却容器は今も健在で、冷やし蕎麦や饂飩の汁の急速冷却に使っている(我が家は出汁は必ず昆布・鰹節からとる)。

今回買ったクイジナートは大きさを例えれば葬儀場から持ち帰る骨壷といった感じで、何より便利なのは手を使わず電動で20~30分動作させられること。冷却容器の熱容量がさほど大きくないので材料は固くはならないが、毎週作る意欲を湧かせるのには十分な省力化。回転動作時の音が多少うるさいことがタマに傷。

日本のアマゾンでも同等のものを売っているようだ。もしアイスクリームメーカを買うなら、そして2~3回で使わなくなることを避けたいなら、電動のしっかりしたものを奨める。ただ置き場所がね…。


さて、レシピ。

当然のことながら、第一作はバニラ味のアイスクリームを機械付属のレシピのとおりに作り、可もなく不可もなく成功。しかし、我々の食感では少々脂っこ過ぎ、甘過ぎた。その後試行錯誤を繰り返して、「標準」のレシピができた。
  • ベースはヘビークリームとノンファット牛乳(アイスクリーム)またはノンファットプレーンヨーグルト(フロヨ=フローズンヨーグルト)。豆乳とは相性が悪い
  • クリームと牛乳は1:1、クリームとヨーグルトは1:2の混合比。これと大幅に違えると、脂っこ過ぎたり水っぽくなる
  • グラニュラー精白糖は液剤(上記の混合)量の1/8
  • 好みでメイプルシロップや蜂蜜を加える
  • 抹茶やコーヒーのようにそれ自体が香の材料がなければバニラエッセンスを使う
  • フルーツ系はレモンを絞る
  • 塩は一つまみ
  • フレーバに合わせてラムやジンなどのリキュールを入れる
作り方はいたって簡単。
  • アイスクリームメーカの容器を冷凍庫で丸一日冷やす
  • 出来上がりを入れるガラス製の密閉容器(タッパウェアのようなもの)も冷凍庫で冷やしておく
  • ブレンダ(ジューサ)にクリーム全量と砂糖、フレーバに牛乳若しくはヨーグルトの一部を入れて攪拌。ブレンダの容器ごと冷蔵庫で数時間冷やす
  • ブレンダからアイスクリームメーカの容器に攪拌済みの材料の半分を注ぐ
  • ブレンダに残りの牛乳またはヨーグルトを入れ攪拌したらアイスクリームメーカの容器に移す
  • アイスクリームメーカで20~30分攪拌
  • そのままではかなりユルいので、ガラス容器に移して丸一日冷凍すると食べ頃になる
とにかく材料と容器をよく冷やすことがコツ。

それでは、特に評判の良かったレシピをいくつか、…とその前に単位について。
  • クォート(1/4ガロン、約946mL)=2パイント
  • パイント(1/2クォート、約473mL)=2カップ
  • カップ(1/2パイント、約237mL)
アイスクリームメーカの容量は1-1/2クォートが公称だが、攪拌すると材料に空気が入って膨らむので材料は1クォート程度に収めること。クリームは1パイントで売られている。メートル法ならそれぞれ1L、1/2L、1/4Lと読み替えても構わない。

コーヒーアイスクリーム
  • クリーム1パイント
  • 牛乳1パイント強
  • 砂糖1/2カップ
  • メイプルシロップ適量
  • 塩一つまみ
  • カルア(コーヒーから作るメキシコのリキュール)適量
  • スタバの砂糖入りインスタントコーヒースティック一杯分
ラムアイスクリーム
上記のカルアとインスタントコーヒーの代わりにラムとレモンの絞り汁を使いバニラエッセンス少々を入れる。

抹茶アイスクリーム
上記のメイプルシロップを蜂蜜に変え、カルアとインスタントコーヒーの代わりに抹茶をティースプーンに軽く一杯。

いちごフロヨ
  • ヘタの部分をくり取った生いちご1.5カップ(ブレンダで砕いて約1カップ)
  • クリームとヨーグルト1カップづつ
  • 砂糖3/4カップ
  • 蜂蜜適量
  • レモン絞り汁
  • 塩一つまみ
  • バニラエッセンス少々
  • ジン少々
カルピスフロヨ
いちごフロヨ。カルピス。抹茶の三色
(ちょっと垂れてしまった)
  • クリーム1カップ
  • ヨーグルト2カップ
  • 砂糖3/4カップ
  • 蜂蜜少々
  • カルピス原液適量
  • 塩一つまみ
  • バニラエッセンス少々
  • ジン少々
レモンソルベ
  • 市販のレモネード(希釈済み)2パイント
  • 砂糖1/2カップ
  • レモン絞り汁適量
  • 塩一つまみ
ソルベは少々難しい。脂分がないため固まりにくいので、材料と容器をよく冷やして手早く作る。作ったら冷凍庫に入れてユルさを取り、二日以内に消費すること。長く冷凍すると次第に氷塊になってしまう。

2012年7月5日木曜日

独立記念日

昨日は合衆国の独立記念日だった。

合衆国では×月の第×月曜日(金曜日)のように決められている祝日(初代大統領の誕生日に由来するPresident's Dayでさえも)が多い中、元旦、降誕祭、そして独立記念日は日付で決められている。

我が家では特別なことはせず、昼は久しぶりの家庭菜園の畑仕事(草取りと耕し)などの庭仕事と刃物研ぎなどの日曜仕事をこなして、昼は遅めの飲茶。これが効いてあまり空腹感がなかったので夜は軽くそばを食べた後庭に椅子を並べて花火見物。日本の花火を見慣れた身にとってはそれほどの感動もないのだが、今年は例年に比べてやたらあちこち多くの場所から打ち上げられていたようだ。遊園地、フェアグラウンドはもとより、すぐ近所の大学構内と思しき場所や明らかに個人宅と思われる場所からどんどこどんどこ打ち上げられていた。確かうちの郡では個人宅での花火は火災の危険から禁止されているはずだったのに、どういうことだろう?

ところで、なぜ独立記念日を 花火で祝うか?

実は、合衆国の独立がガン(鉄砲、大砲)で成し得たことを意味しているのだ。国歌「星条旗」にも、「ロケット弾の赤い炎、空中で炸裂する爆弾が我々の旗がしっかりとはためいていることを証明した」というくだりがある。建国の父祖らが武力で勝ち得た独立を考えると、憲法修正第二条で国民の武装する権利を認め、未だに銃器の所持を禁止できない事情も何となく分かる。

娘が小学一年生のときの歴史(社会科)の授業はちょっと面白かった。当時の植民地の居住者を反英へと向け独立まで導くきっかけとなった当時の英国王ジョージ三世の不当課税の事件を学ぶとき、小学一年生の各生徒にジョウージ三世宛に不当課税に植民地がいかに困って怒っているかを訴える手紙を書かせるという実習があったのだ。こういうことを繰り返して、何かにつけて「納税者」を強調する国民性が育てられていくかと思うと興味深かった。自分たちが拠出した金を「公的資金」と他人事のように表現する日本とは少し違う。

例年、ほとんどの場合は、独立記念日には日本などの国外旅行に出かけている。今年は、いまだに続く円高と我が家の少々キツい財政事情のため久しぶりの独立記念日の花火鑑賞となった。