2012年7月16日月曜日

暑く…ない

今年も半ばを半月ほど過ぎた。

写真は昨日マウンテンビューにふらりと行った時、古本屋の前で見つけた「2012年のカレンダー40%引き」の宣伝。もう2012年も半分以上過ぎたんだから、もっと値引きしないと売れないと思うが…。

日本では蒸し暑い季節の真っ最中と思うが、ここサウスベイエリアは今年はあまり暑くない。もともと夏の湿度はそれほど高くない地域で、気温が高くても乾いた暑さのことが多く、30年近く前、当地に来たばかりのときにエアコンのない車でサンフランシスコから午後のフリーウェイを運転して帰ってきたときに鼻の中が乾いてしかたなかった記憶がある。その後身体のほうが慣れてきたらしく、極端な乾燥は体験していない。ところが、今年は冬はレイクタホに雪がほとんど降らず、一回もスキーに行かないという椿事の年で、「さては地球温暖化か」と思ったが、夏になっても一向に暑さを感じない。温暖化というより太陽黒点の異常による異常気象なのかもしれない。

例年ならかなり蒸し暑い日もある。 7~8月期に2週間程度、そして9月に「インディアンサマー」と呼ばれるらしい1週間程度のかなり暑い日が続く。数年前の7月には、あまりの暑さに耐え切れずレイクタホに即決一泊避暑旅行に行ったこともある。

それ以外の日でも夏は夏なのでやはり暑いが、日本のような「うだる」ことはないので、我が家にはエアコンはない。近所の家では結構備えているところがあるようだが、エアコンなしも決して珍らしいことではない。こちらのエアコンは、日本のような各部屋のセパレート型の壁掛けはなく、セントラルエアコンかまたは窓にはめ込むタイプが主流。セントラルエアコンは室内機と室外機の置き場所を確保するのが大変で金もかかるし、窓型はうるさくエネルギー効率もよくない。まぁ、何とかしのげる暑さなので…。

我が家は斜面に建っている「スプリット」と呼ばれる構造で、2階建ての建物二つを傾斜に合わせて上下に少しずらしてくっつけた感じ。だから床のレベルは5段階、玄関と踊り場を入れると7レベルもある。だから、残念ながらルンバは使えない。下の階は昼でも明らかに戸外より涼しいし、夜は時には肌寒いこともあるが、上階はかなり暑い。原因はいくつかあると思う。
  • 対流で熱い空気が昇る
  • 日射で屋根・屋根裏が熱せられる
  • 2階のサーバ3台やPCなど(計200Wぐらい)
特に娘の寝室はかなり暑い。

この暑さは以前から気になっていたが、先立つもののこともあり、なかなか手を付けなかったが、昨年ついに対策を実施した。設置したのは二つの比較的安価な装置。
  • 屋根裏に14インチ1650CFMのゲーベルファン(付属のサーモスタットで制御)
  • サーバルームに140CFMの静粛型バスルームファン(室内サーモスタットで制御)
ゲーベル(ゲーブル、gable)ファンとは、要するに強力な扇風機で家の「褄」の換気口に設置して屋根裏の熱い空気を強制排出するもの。1650CFM(立法フット毎分)だと普通のバスルーム用換気扇15~20台分で、2500平方フット程度までの屋根裏に効果があるという。サーモスタットはファンに付いているものを華氏90度で作動するように設定。

ゲーベルファンを設置するアイディアは以前からあったのだが、躊躇していた一つの理由はこのサーモスタット。万が一火事が発生したときサーモスタットが働いてファンが回り始めると悲惨なことになる。今回選んだ製品はモータの過熱時にシャットダウンする機能があるということなので、火事のときもシャットダウンすることを期待して決心した。

ゲーベル
電源にはスイッチを二つ付けて、メンテナンスや旅行などで不在のときには完全に切断でき、かつサーモスタットが動作しなくても例えば湿気を取るために手動で作動させられるようにした。動作状況が視覚でもわかるようにLEDの表示も作った(120Vで直接駆動できるLEDを見つけた)が、これは後で述べるようになくても動作は聴覚で一「耳」瞭然だった。

バスルームファンは、シャワールームに付けるものを仕事部屋兼サーバルームとして使っている部屋の天井に設置して室内の天井付近に溜まった熱い空気を強制排出する。通常のファンは80~100CFMが多いが、静粛型では最大級の140CFMで、ダクトの通常の4インチではなく6インチ。室内につけるサーモスタットは120Vを直接制御できる冷房用のものを探したが、結局少々レトロな外観のメカニカルなものしかなかった。設置して見るとそれほど違和感はない。

手元にあった1インチの合板でゲーべル開口部に合わせたバッフル板を作って設置。電源は、以前に窓用エアコンのために配線しておいた天井近くの窓際の壁から引き出した。

さて、効果はあったか?
ゲーベルファンのバッフル板
CADで画いてみた

確かに効果はある。エアコンのように直接的な冷風を感じるわけではないが、いわゆる「熱帯夜」の蒸し暑い上階もかなり過ごしやすくなった。消費電力は、両方のファンが動作していても300W以下だからエアコンに比べるとかなり小さい。エアコンと併用してもエアコンの消費電力をかなり抑えることができ、総合的に節約になることは間違いないと思う。

欠点らしい欠点と言えば、ゲーベルファンの動作音がかなり大きいこと。室内ではそれほどでもないが、裏庭に出るとヘリコプタの爆音のようなファンノイズ(もちろん本物のヘリコプタよりずっと小さい)が聞こえる。早く娘の部屋にもバスルームファンをつけてやりたいのだが、残念ながら140CFMの製品が品切れ状態になっている。

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