2012年8月7日火曜日

冷蔵庫・冷凍庫の内部照明のLED化計画



うちには冷蔵庫・冷凍庫合わせてフルサイズのものが3台あり、すべて稼動している。

一番古いのは、今の家を13年前に買ったときに一緒に新調したサイドバイサイドの冷凍・冷蔵庫。3年前に台所を改装した後は車庫の中に置かれ、もっぱらミルク類や果物、ビールなどの買い置き品の貯蔵に使っている。氷と冷水のディスペンサが付いていて、調べた限りではエネルギ消費効率つまり節電度も悪くない。

二番目は冷凍専用庫。我が家の先代の住人が置いていった冷凍冷蔵庫を車庫に置いてあったところに、4年間前に配偶者が車で突っ込んで壊したやつの代替品として保険金で買った。シングルドアで、年に一度日本から買って来る数か月~1年分の食材とか、丸のままで買って捌いた肴の切り身とかがぎっしり入っている。

最後は3年前に台所を改装したときに新調した冷蔵専用庫。開封したミルクなどの箱物や米、調味料、食べ残しは上段のドア部分に、下の二つの抽斗には数日中に消費予定の生鮮野菜や肉・魚類など。配偶者のたっての希望で、業務用で有名な某大ブランドの製品だが、なんと$10K以上もした。ドアと引き出しのパネルは別売り(埋め込み式なので壁やキャビネットと同じ木製パネルを自分で調達できる)で$1.8Kもした。

アメリカの冷蔵庫は「適当に冷やす」だけの箱で、日本の製品のようにあれやこれやの便利そうなガジェットはない。十年一日のごとく何の進歩もない。ま、それはさて置いて…。

さて、これらの冷凍・冷蔵庫に共通して腹だたしいのは、 ドアを開けると庫内を照らす照明に白熱電球を使っていること。サイドバイサイドの冷凍・冷蔵庫は冷凍庫側と冷蔵庫側にそれぞれ40W球を2本づつ、冷凍専用庫は40W管を一本、冷蔵専用庫はドア内の天井部分に40W球4本と抽斗の上部に20W球2本づつ計4本使っている。冷凍庫・冷蔵庫のドアの開放なんて一回数十秒、日に10回以下だから電球の消費するエネルギーなどたかが知れているが、折角一生懸命冷やしている庫内を、一日に累積数分とは言え白熱球でわざわざ暖めるなど完璧主義者には許し難い。節電するには冷蔵庫・冷凍庫の台数を減らすのが最も効果的なことは百も承知で、あえて重箱の隅を突っついてみることにする。

40W「球」は比較的簡単。E26またはE27(口径26/27mm、「standard」)という普通の電球と同じベース(口金)の小型のイチジク・ナス型の電球なので、冷凍・冷蔵庫は比較的早い時期にCFL(Compact Fluorescent Light、電球型蛍光灯)に替えた。しかし冷凍庫内はこれは実用にならなかった。庫内温度が低すぎて蛍光管内のプラズマが活性にならず、数分待たないと明るくならない。冷凍庫のドアを数分も開けることはもちろん禁物。冷蔵庫内の蛍光管も常温より暗く、じわ~~っと明るくなってくるが、こちらは初期光度でも実用になった。

そうこうしているうちにLED電球の製品が増え値段も下がってきたので、昨年、そろそろもういい頃だと見定め、E26/27の照明は全てLED球に替えた。

以前試しにFry'sで一本だけ買ってみたMiracle LEDを買い増し。このLEDは口金と反対側の「輪切り平面」に多数のLEDが植えられていて、正面から見ると眩しいぐらいの明るさだが、側面および反対 側には全く光が向かない。発光は色温度の高い、いわゆる「クールホワイト」つまり寒色系白。LEDが植わっている部分はガラスの重厚な作り。

Ag-Echoは、Miracle LEDの青っぽさが冷蔵専用庫にはちと違和感があったので色を「中和」するために1本だけ買ってみた。白熱球で言えばフィラメントの位置に立てた三角柱状 のベースにLEDを表面実装している。色は暖色白だが何となく黄色っぽく、見慣れた白熱球の暖色とは違う。全体の光量はイマイチ。ガラスに見えるハウジン グは実はプラスティックで、触ると微かに弾力を感じる。

1本あたりの消費電力・発熱量は
  • 白熱球: 40W
  • 蛍光管: 12W
  • LED: 2W

と激減する。LEDの値段は白熱球の数倍~十倍、蛍光管の数倍もするのが痛いところだが、完璧主義者はそんなことにはめげない。

問題は冷凍専用庫。E17(intermediate)という細身のベースの管状の40Wの白熱球。E17ベースのLEDは種類が少なく、あるのは皆、球形状に近い装飾用が多いのでとても光度が足りない。そこで一計を講じ、E17のソケットに直接LED球を挿すのではなく、20インチほどのバーにLEDが数十個装着されている「ストリップ」を使うことにし、電源はE17のソケットに填まるアダプタを自作することにした。 光度を稼ぐためにバーを2本使い、アダプタからは二股ソケットを出して、そこに2本のストリップのプラグを差し込むことにした。

多数のLEDが付いたストリップは、カウンタトップのキャビネットの下につける物が何種類か売られているが、12V用だったりカスケード(芋づる)接続の端子のような余計なものが付いていたり、或いは ガタイが大きかったりで、中々ぴったりしたものがない中、Striplyteの製品を見つけたので早速一本調達してみると、光量もまあまあだしサイズも手頃なのでもう2本購入。この製品は電流制限抵抗が透明コーティング越しに見え一見イカモノっぽいが、コーティングを含めてしっかりした作りになっていて家電製品の中に使うための安全性は十分と判断した。

運がよいと言うか、丁度冷凍庫の白熱球が切れたので、替えの電球を買わずにLED化の計画を実行することにする。

ソケットアダプタは、E17(intermediate)からE12(candelabra)の口径変更アダプタを購入し、これに2+1又差込の付いたAC延長コードのプラグ側を切り落としたものを半田付けする。このままではE17のソケットにねじこみにくいので、在庫していた直径1/2インチの木の丸棒を4インチばかりの長さに切り落とし、先端をドレメルで加工して口径変更アダプタのE12側にぴったり押し込み、配線ごとエポキシ接着剤で固める。これでねじ込みやすくなっただけでなく、半田付けした電線も安定する。念のためにケーブルタイで電線を丸棒に縛り付けて完璧を期す。安全のため、一応導通試験なんかもちゃんとやる。

材料はソケットアダプタ、延長コード、木の丸棒
E17/E12アダプタにコードを半田付け
ハンドルをエポキシで付けて出来上がり
出来上がったソケットアダプタを電球の挿さっていたソケットにねじ込み、プラグ差込部分を両面粘着テープ付きベルクロとケーブルタイで冷凍庫のプラスチッ クバーに取り付ける。LEDストリップは、1本はやはり 両面粘着テープ付きベルクロで同じプラスチックのバーに取り付け、もう一本はケーブルタイで網棚の奥に固定する。網棚用は食品などをぶつけられる可能性が あるので、LEDストリップに付属してきた輸送時保護用のプラスチックの角型チューブに入れたままケーブルタイで網棚の底(天井?)に縛りつける。配線は できるだけ隅のほうを通して四角いパッドのついたケーブルタイマウントで冷凍庫の内壁に両面テープで貼り付ける。

出来栄えは予想以上で、約半年の熟慮計画期間を置いたとは言え、うれしい。冷凍庫を開けるとクールなLEDの光が庫内を十分に照らす。消費電力は白熱球の40Wから3W程度に激減。

気をよくして、E26のLED電球だけでは少々暗めだった冷蔵専用庫にも計画通りLEDストリップを中段のガラス棚にやはり両面粘着テープ付きベルクロで装着。こちらの電源は、E26のLEDを一つはずしてプラグ差込アダプタに替えるだけで楽チン。

まだ冷蔵専用庫の抽斗照明(20Wx4)が残っているが、こちらは電球の口金のサイズがよくわからないのでまだ手がけていない。

一個$1程度あるいはそれ以下のの白熱球を$10~$25もするLEDに交換して節約できる電気量・電気代は如何ほどか?完全に自己満足の域を出ないことはよくわかっている。でもいいじゃないか。冷蔵庫・冷凍庫の中に発熱源をわざわざ置いておくなんて耐えられない。矛盾は解決しよう。うちはこれだけ省エネルギーにがんばっているんだぞ、と。

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