2012年6月2日土曜日

エラい人の日本語

娘の日本語補習佼の運動会があった。

年一度の運動会には、地元の日本国総領事を観戦に招待することが慣例となっている。 せっかくの休日(土曜日)にわざわざお越しいただくのも大変だが、補習校の運営資金の一部が日本で納められた税金で賄われている(無償提供教科書、日本から校長・教頭の派遣)ので、礼儀上も道理上も妥当というか不可避的なのでそのことについては文句はない。

さて運動会の開会。

まず教員の一人の開会宣言。

次いで校長先生の「今日のすばらしい天気は皆さんの…」というお話(昨年は雨天中止)。

そして総領事の挨拶。内容は当たり障りのないことだった(と記憶している)のでよく覚えていないが、総領事の挨拶としてはフランクな口調はともかくとして
「今、校長先生が言った…」
と校長先生の発言を引用したのにはびっくりした。

そりゃ総領事はエラいかも知れないが、生徒・父兄への挨拶で「今、校長先生が言った…」はないだろ?どう考えても「おっしゃった」以外にふさわしい言葉遣いはないよな。

何だか情けなくなった。

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「今、校長先生が言った…」と日本国総領事に引用された校長先生の日本語もそう褒められたものではない。

四月の学校便りに
「私は今年は中等部と幼少部の卒業式に出席させていただきましたが…」
ど。

おいおい、「出席させていただきました」って、卒業式って誰の主催だよ?(少なくとも言葉上)お客さん気取りの校長先生、これも情けなかった。

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更に遡って三月の理事会の月刊通信の見出しは
「卒業生の皆様」
「ご卒業おめでとうございます」

小学生相手に使う言葉か?

ここは
「卒業生の皆さん」
「卒業おめでとう」
で十分というより、そうでなければならない。日本語は長幼の区別をしなければ成り立たない。

最近は、やたら丁寧な言葉遣いをすればよい(正い)日本語という勘違いが蔓延しているようだ。

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最初の「今、校長先生が言った…」に関して、例えば生徒・父兄の前でまず一般教員のXX先生がまず注意事項を述べ、それを後に続く校長先生が引用するときはどうしたらよいか自問してみた。
「今、XX先生が言った…」
は不正解。
「今、XX先生からお話があった…」
が’正解だと思う。

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